京都・静岡名物 茶そば とは
茶そばは、更科粉や通常のそば粉に混ぜ込んで打つ、いわゆる変わりそばの一種であり、京都宇治の抹茶を練り込む、目にも鮮やかな緑のそばとなる。また、お茶の香りも豊かであり、まずは汁に漬けずに楽しむ通好みのそばでもある。
静岡県の茶畑周辺でも、お茶とそばのコラボレーションが楽しめるお蕎麦屋さんが点在する。
茶そばは冷たいそばが多いのは、温かいそばとして汁に漬けてしまうと、かなり濃い緑色となり、視覚的には美しくないので、冷たいそばが好まれるのが理由だ。
茶そばの歴史
茶そばはいろいろな「変わりそば」の一種で、江戸の中期頃最初に考案されたといわれています。白いさらしな粉を製粉する技術が発達したのと、「湯ごね」という製麺技術が生み出されたことが大きな要因となり、さまざまな「創作そば」が生まれました。
寛延三年(1750年)ごろに刊行された「料理山海郷」という文献によれば、「玉子蕎麦切(らんきり)」がその最初であるとされ、その後に「百合切り」、「紅切り」、「海老切り」などが考案されたとあります。ちなみに三色そばの場合は、さらしなの「白」、海老切りの「赤」、茶そばの「緑」で三色、これに胡麻切りの「黒」と玉子切りの「黄色」を加えたのが五色そばです。
三色そばや五色そばは,江戸の中期のころに流行した、「雛そば」の行事が、関係していたようです。「雛そば」とは、雛祭りの翌日に飾った雛壇を崩して雛人形を納めるとき「節句そば」を供える行事のことです。「雛そば」も年末の「年越しそば」と同じく、「家運や寿命が長く伸びるように」とそばを供えて願をかけた縁起ものであります。