長野名産 行者そば とは
今の長野そば処の歴史として忘れて行けないルーツとも言えるのが、この行者そばと呼ばれるご当地そばである。特徴として、茹でたての風味高いそばに、辛み汁(辛味大根のしぼり汁)に焼き味噌を溶きながら味噌風味でたぐるそばである。
歴史は古く江戸時代初期から、各店名称は違えど、この食べ方のまま長野県全域にとどまらず、全国のそば店で伝承されている。
行者そばの歴史
荒井区内の萱は「信州そば発祥の地」の伝説を残し、秘伝の味「行者(ギョウジャ)そば」が今に伝えられています。
奈良時代の初め、修験道の開祖役小角(えんのおづぬ)は修業のため信州に入り、小黒川をさかのぼって駒ヶ岳を目指しました。途中、内の萱で村人たちに温かくもてなされた役小角は、お礼として蕎麦の実を置いていきました。村人たちはこのそばを大切に育て、信州全体に広めたのです。
江戸時代の初め、高遠の殿様はことのほかそばが好きで「辛つゆ(大根おろしの汁に焼味噌を入れたつゆ)」で食べる内の萱の「行者そば」が大好物でした。それを聞いた近郷近在の人々は行者そばを食べようと内の萱におしかけ、大変な評判になってしまいました。 人々の求めに応じ切れなくなった内の萱では「西駒登山を修める者以外行者そばを食べることはできない」とし、以後、行者そばは秘伝の味となりました。伊那市観光協会