山形名物 越沢そば とは
山形県の摩耶山、新潟県との県境近くにある山です。1000mを若干越える程度の標高ながら、極めて峻険な山であり、その麓の集落にて食される郷土そばが越沢(こえさわ)そばである。
特徴としてつなぎに自然薯をつかった独特の粘りによるコシを生んでおり、粗挽きそばの表面をなだらかにさせてのどごしも愉しめるそばである。
地元で摂れる山の幸やそばの収穫シーズンに合わせ、そば祭りも開催されている。
しかし2016年に、この越沢の地で新たな在来種が発見されたとの情報もあり、嬉しいニュースとして話題を上げているのが、『越沢三角そば』である。
在来種 越沢三角そば とは
そばの在来作物は県内でも3例目で、鶴岡市がある庄内地方では初の確認である。
確認までの経緯はなんとも偶然的で、山形県在来作物研究会のメンバーが、別の仕事で同地区の自治会長と打合せしているなか、聞き慣れない単語を耳にしたことから始まる。 その言葉とは「三角そば」であった。
聞けばこのそばは明らかに鶴岡市で主流となっている「でわかおり」と区別して栽培されており、交雑しないように畑を分けていた。 加えて、そばの実もそれより小さく、異なる種であることが容易に想像がついた。
この情報を元に、山形県在来作物研究会が現地を調査し、確認に至ったのである。
これをきっかけに、越沢自治会では転作補助対象にこのそばを加えてもらうことを行政と調整しており、現在三戸の農家でしか作らなくなってしまったこのそばの作付け拡大を目指している。 この地区で昔から食されてきた、三角そばが今、地区の光となっている。 これも、絶やさずタネを繋いできた人々の努力の賜物である。
このように、確認できる在来作物はまだまだあるのではないかと思われる。 知識や確認ルートを持つ人材が多ければ、こういった発見が今後も生まれる可能性が高いだろう。山形県の在来作物と食文化