福島名物 水そば とは
水そばは、実は、日本の各地、そばの産地処であればどこでも提供されている、そば本来の風味を味わうための食べ方である。
ただ一説には、福島県の喜多方地方が発祥のような文献が多く、土地柄が標高400mを超え寒暖の差が激しい風土と共に、その山から流れる良質な水から作る香り高いそばの産地でもあることから、よりそばの魅力を伝えるべく、だし醤油ベースのもり汁よりも先に、水だけで味わって頂くという食べ方を推奨している蕎麦店が、福島に多い。
江戸時代中期より、蕎麦切りという手法で食べるのがそば食の主流となったころ、「そばはのど越し」という風潮が高かった。柔らかくもそっとした蒸したそばとは違い、つるつるっと胃に運びこむ喉越しそばは流行し、より水々しいそばが求められることとなった。美味しいそばを、水だけで頂く。という発想が生まれたのも、おそらくこの頃だろうと思われる。
福島に始まり、東京や京都、長野、奈良、茨城と、各地で食せる水そばであるが、食べた消費者の感想はそれほど良いものではない。
そのもの珍しさが先行したものであり、店舗によっては、必ずと言っていいほど、普通のもり汁や薬味、天ぷらなどを添えており、『まず、最初に一杯を水そばで』という流れが一般的である。
福島の名水
磐梯西山麓湧水群
名峰磐梯山の西麓にあり、猫魔、厩嶽、古城ヶ峰等の山々を瀬に猪苗代に向かってひらける。龍ヶ沢湧水をはじめとする多くの湧水があり、旱魃に襲われても涸れることがない。大規模な雨乞いの儀式が行われた場所である。 龍ヶ沢清水は国の史跡指定を受けており、古代から太平洋戦争直後まで、度々雨乞いが行われており、特に江戸時代には会津藩の命により、大規模な雨乞いが行われ、その際の本尊となった「龍像権現」像や龍の落とし子にまつわる文書が残っている。
小野川湧水
磐梯朝日国立公園内にあり、その昔、「百貫の価にも換ふべからず」とたたえられた。古来絶えることなく、水底の白砂を清冽な水が吹きあげる神秘的な姿を見せ、古来より修行僧の霊水や生活用水に使用されている。その昔、「百貫の価にも換ふべからず」とたたえられたこの湧水は、古来絶えることなく、水底の白砂を清冽な水が吹きあげる神秘的な姿を見せている。