神奈川名物 湯河原そば とは
神奈川県湯河原町は、江戸時代から湯治場として有名な地であり、近年になっても文豪の筆休めとしての温泉宿としても利用された由緒ある旅館が連なる。豊富な水線と自然が濾過する純水で打つそばは逸品であり、香り味ともに優越なそば店が軒を連ねるそば処が存在します。
そのそば処で食されるそばを、総称して湯河原そばと呼ぶ。
老舗が多く、職人が手間ひまを惜しまない絶品そばは、観光客を唸らせ、地域独特の特色というものはないものの、そば本来の旨味を味わえると現在もわざわざ足を運ぶ人も多い。
湯河原のまつわり
湯河原温泉は、万葉集で唯一うたわれた 長い歴史を持つ温泉です。
日本には数多くの温泉がありますがここ湯河原温泉は、奈良時代、約1200年前につくられた日本最古の万葉集で唯一詠われた長い歴史を持つ温泉です。
足柄の 土肥の河内に 出づる湯の 世にもたよらに 子ろが言はなくに
万葉集 第十四巻・相聞
解釈「湯河原の温泉が、夜となく、こんこんと河原から湧いているが、その湯河原温泉が湧き出るような情熱で、彼女が俺の事を思ってくれているかどうか、はっきり言ってくれないので、毎日仕事が手につかないよ」湯河原地方は、その頃から土肥(とひ)と呼ばれていた。
湯河原温泉の発見説は、二見加賀之助重行による発見説、弘法大師発見説、薬師の湯由来説、役行者による伝説など諸説あります。
明治中期頃には、谷崎潤一郎、夏目漱石、芥川龍之介、国木田独歩や島崎藤村、などの文人たちが多く訪れる様になり昭和には大岡昇平・小林秀雄・丹羽文雄・獅子文六・石川達三などが訪れています。
雄大な自然の景観と豊かな山海の幸に恵まれ、行楽・静養に最適の地として多くの人々に親しまれてきた町並みを散策していると、そこかしこに偉大な文士たちの足跡と歴史の残り香を感じます。
引用:懐石旅庵 阿しか里