島根の郷土そばと言えば出雲そばであるが、割子そばの発祥ともされる松江地方で栽培され収穫されるそばを玄丹そばと呼ぶが、ごくごく最近のことである。
松江市は広大な作付面積のそば産地ではありますが、それは、平成9年の生産調整に対応するべく減反田を活用したそばの作付けが盛んになり、地域を上げてPRをしている。
生産調整は水田の荒廃をもたらすという一面もありましたが、そばの作付けが田を荒廃から救ってくれるようにとの願いを込め、かつて松江藩を救った女傑「玄丹」お加代と「減反」を掛けて松江のそばは「玄丹そば」と命名されました。
玄丹そばは栽培面積も年々広がりを増し、生産量も伸びてきており、今では松江市の特産物の一つとして誇れるものとなって来ています。そば店の店先などにも、玄丹そばののぼりが出されるなど、地域振興(町おこし)がしっかりとなされている結果の賜物だと思われる。
玄丹かよ(1842 ~ 1918)
本名・錦織加代。玄丹は元松江藩士で針医だった父の名。明治維新期、官軍は佐幕的とみた藩に家老の切腹を求めるなど無理難題をふっかけた。
芸者だったかよは懐柔に奔走、機転と度胸で藩の危急を救ったとされる。官軍を接待した宴席で官軍の武士が刀に刺して突き出したかまぼこを、平然と口で受けた、など豪快な逸話が残る。1972 年、宍道湖岸の白潟公園に記念碑が建てられた。(JAしまねより)
玄丹そばの食べられるお店