東京名産 あられそば とは
江戸時代に人気のあった食べ物には、日本独特の季節折々を表現した風情というものが存在し、このあられそばも同様である。地表は温かくも上空に冷たい空気があり湿った雲があった場合、天気は良くもあられという氷が降って来る。この不思議な現象を江戸時代当時のそば店が2cm角に切った貝柱で表現したのが、このあられそばである。
温かいそばの上に品川で作られた磯の香りたっぷりの海苔を敷き、その上に深川で捕れた馬鹿貝の貝柱を角切りにしたものをのせることで、あられを表現し話題となり今も東京のそば店につづく名物そばとなった。
今は千葉県富津港で水揚げされる青柳(馬鹿貝)などを使う店が多いが、いずれも東京湾で捕れる江戸前の味であることは確かだ。
ちなみに切り餅を角切りにして煎ったものをあられというの呼称であるのは、奈良時代から続くものであることから、江戸時代に流行したあられそばは、その時代の創作そばのひとつと考えられる。
馬鹿貝(青柳)の栄養
●豊富なアミノ酸
バカガイには100g中9700mgものアミノ酸が含まれています。旨みとして感じる主な成分として知られるグルタミン酸も1400mgもあり、食べた時の美味しさにつながっています。
●ビタミンB12が豊富
貝類には野菜などからは摂れないビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12はDNAの合成や調整に深く関わっており、正常な細胞の増殖を助ける働きがある他、神経を正常に機能させる働きなどがあります。旬の食材百科