京都名産 筒川そば とは
京都府丹後半島の北に位置する伊根町の山間部、筒川では古くからそばの栽培がさかんであり、近年味を追求した品種改良されたものとは違う、純国産の在来種となる。
筒川では戦前からこの品種を栽培しており、村の過疎化が進むことで衰退を危惧し、町おこしの一貫として平成4年に『筒川そば生産組合』を発足し、地域を上げてそばの発展のためPRを行っているが、生産量は高いとは言えず、地元で食される分をまかなっている程度である。
地元では家庭料理のひとつとしてそばを食していたが、組合はそば打ち体験や、年一回のそば祭り『筒川そば祭り』などを行い、普及に取り組んでいる。
そばの在来種を守る
現在テレビなどでよく目にするのが生き物の在来種を守ろうとする活動をターゲットとした、例えば池の水を全部抜くなどの特集です。外来種を排除し、日本古来から生息する生き物を守るという目的で作られているのですが、こうした在来種を守る活動は、そばの品種であっても続けられている。
特に戦前を知る方々に聞けば、「昔のそばはもっと美味かった」と口を揃えて言うように、元々日本独自で栽培されていたそばの品種は、風味豊かで、その土壌毎の特色があるものであった。
近年の大量生産化により、より適した品種へと改良することで失われた風合いがあることは明確である。
しかし、今、このそばの業界でも、そうした風合いのある在来種を守る活動を行っている地域が全国的に動き出している。地域コミュニティに伝承を任せているだけではならない。
我々消費者に出来ることは、そうした在来種そばをたくさん食べて、品種改良されたそばとの差を感じて、それを伝えて行くことが大事と考えている。